MODづくり実践②~ボートネックTシャツ その2~


さて、その1ではリストファイルをつくりましたが、引き続き今回からは本体ファイルをつくる作業に入っていきます。

④本体ファイルをつくる

[4-1.リストファイルと対応する本体ファイルをつくる]
まず前回つくったリストファイルのなかで、本体ファイルを置くアドレスとその中身のデータ(Animator)名を「chara\xne\xne_co_top_tsyatu01.unity3d」と「p_o_top_xne_tsyatu01」と指定しているので(MainAB/MainDataの値)、本体ファイルのアドレスや名前とAnimatorの名前はそのとおりにする必要があります。

そのために、まず

1.「abdata\chara」内に「xne」ファイルを作る
2.「xne」ファイルに「mt_body_paint_00.unity3d」をコピー&ペースト
3.xne_co_top_tsyatu01.unity3d」にリネーム

します。
ここで出てくる疑問が、なんで既存の本体ファイル(具体的にはp_o_top_tsyatu02を含むchara内のco_top_00.unity3d)をコピー&ペーストしないのかということですが、実はSB3UtilityではAnimatorを削除することができません。
そのためにAnimatorを含まない何らかのファイルをコピー&ペーストして、そこに必要なぶんのAnimatorを移す、という作業をする必要があります。
つまりもとになるファイルはAnimatorを含まなければなんでもいいのですが、今回は例として「mt_body_paint_00.unity3d」を使います。

リネームが終わったら次に「co_top_00.unity3d」をSB3Utilityで開き、改変元となるAnimatorである「p_o_tsyatu02」と「p_o_tsyatu02_low」を選択した状態で、「Assets→Mark for Copying」を選びます。


すると「p_o_tsyatu02」と「p_o_tsyatu02_low」に下線がつくので、確認したあとに「xne_co_top_tsyatu01.unity3d」を開いてAssets→Paste All Marked」を選びます。

これで下線をつけたAnimator(と関連するマテリアルやテクスチャなど)が追加されて、「xne_co_top_tsyatu01.unity3d」の中身は下のようになります。

中身をみてみると必要なAnimatorはちゃんとコピーできていますが、同時に使わない「mt_body_paint_00.unity3d」由来のテクスチャが山ほど入ってることがわかります(具体的にはImg[53]という情報がそれを示しています)。
そこで使わないmt_body_paint_00.unity3d」由来のテクスチャを選んでから「Assets→Attention!→Remove」で削除します。

これでファイルの中身がAnimatorとそれに関連するものだけになりました。
しかし、これだけだとまだリストファイルで指定しているMainTexである「cf_top_xne_tsyatu01_t」とColorMaskTexである「cf_top_xne_tsyatu01_mc」がありません。
なので、改変元であるTシャツ(無地)で使われている「cf_top_tsyatu02_t」 or 「_mc」とそれぞれの_lowファイルを「co_top_00.unity3d」から同じ手順でコピーしてきます。
このときの注意点としてAnimatorを二重にコピーしないため、「co_top_00.unity3d」を一度閉じて開きなおしてからMark for Copying→Paste All Markedをしてください。


これで本体ファイルに必要なものがすべて整ったので、あとはAnimatorやテクスチャ名を必要に応じてリネームしていきます。
Animatorやテクスチャのリネームは「Assets→Rename」から行います。

この機能で

「p_o_tsyatu02」→「p_o_top_xne_tsyatu01」※_lowも
「cf_top_tsyatu02_t」 or 「_mc」→「cf_top_xne_tsyatu01_t」 or 「_mc」※_lowも

にリネームし、仕上げに忘れずにCABinet(s)を変更し保存します。

ここまでの作業が終わって、ようやくリストファイルと対応した本体ファイルをつくれたことになります。


[4-2.メッシュを変更する]
これでようやくひと安心……といきたいところですがここまでは事前の準備でしかなく、本来のやりたいことではありません。
本来のやりたいことは「首回りがひらいたTシャツ」をつくることで、そのためにはこの本体ファイルから既存の衣装の形(メッシュ)を出力して、加工して、戻すという作業が必要になります。
ここからその作業のやり方を実際に順を追って見てみましょう。

まずxne_co_top_tsyatu01.unity3d」の内のAnimator「p_o_top_xne_tsyatu01」をダブルクリックして開き、中央にでてくるMeshタブを選んで「o_top_tsyats_a」を選んだあとに下のようにFormatとチェックボックスを選んでExportボタンを押します。

すると選んだメッシュが「~.fbx」という形式で出力されるので、これをメッシュをいじれるソフト(xneはBlenderを使っています)で望む形に加工し、「~.fbx」という形式で保存します。
その加工したメッシュを本体ファイルに戻すには、まず変更される予定のメッシュを選んでGoto Frameボタンを押します。

すると中央のObject Treeタブが開いて、そのなかの「o_top_tsyats_a」が選択されている状態になります。


この状態で画面左上のQuick Accessタブに加工した.fbxファイルをドラッグ&ドロップすると、ImportedMeshという項目で加工後のメッシュを選ぶことができます。


その加工後のメッシュをObject Treeの「o_top_tsyats_a」にドラッグ&ドロップをすると、オプション画面がでてくるのでそのままOKを押して置換完了です。

なお、この作業のあとにはマテリアルの設定がはずれてることがあるので、メッシュの変更後はすぐに右側のMeshタブを開いて、下の赤枠のところが(none)になっていないかどうか確認することをおすすめします。
もし(none)になっていたら、変更前のものを選んで割り当てておきましょう。

これで本体ファイルの作業はいったん終わりになりますので、保存して終了します。

なお、xneの環境では半脱ぎのメッシュ(「o_top_tsyats_b」)のインポートに不具合が生じたので、最終的に「Tシャツ(無地)」ではなく「キャミソール」のAnimatorをベースに本体ファイルを作りなおしましたが、ほとんど同じ作業になるためここでは省略します。

⑤サムネファイルをつくる

引き続いてのサムネファイルですが、これは今までやった作業とほとんど同じ手順をつかってつくることができるので、ざっくりと説明します。

サムネファイルも本体ファイルと同じく、その1でつくったリストファイルのなかでアドレスが「chara\thumb\xne\xne_co_tsyatu01.unity3d」、中身のデータ(Texture2D)名が「thumb_tsyatu01」だと指定されているので(ThumbAB/ThumbTexの値)、まず

1.「abdata\chara\thumb」内に「xne」ファイルを作る
2.「xne」ファイルに「co_top_00.unity3d」(thumb内)をコピー&ペースト
3.xne_co_tsyatu01.unity3d」にリネーム

します。
それから「xne_co_tsyatu01.unity3d」をSB3Utilityで開き、改変元となるTexture2Dの「p_o_top_tsyatu02」以外をAssets→Attention!→Remove」で削除し、「p_o_top_tsyatu02」を「Assets→Rename」で「thumb_tsyatu01」にリネームします。

最後に忘れずにCABinet(s)を変更し保存したら、サムネファイルの完成です。


これでリストファイル/本体ファイル/サムネファイルと、コイカツ内に衣装を入れるための最低限のファイルは揃ったはずなので、試しにコイカツ!を起動してゲーム内でどのようになっているか見てみましょう!

するとトップスに「ポートネックTシャツ」とサムネイル画像が追加され、さらに選んだら変更したメッシュのとおりの衣装がちゃんと表示されました。
つまり衣装の追加には成功していますが、見ればわかるとおりいくつか問題が起きています。

・ボディマスクが「Tシャツ(無地)」のままで、肩まわりが不自然に消えている
・服の色が真っ白で、選択した色の設定が反映されていない
・そもそもTシャツは2色選択のはずなのに、1色しか選択できない
・首まわりの胸中央部が不自然に△の形に尖っている

などなど……

衣装MODをつくるとき、たいていはつくって一度で完璧なものはできず、ゲーム内での様子をみて地道に修正していくことになります。
けれどもひと通り必要なファイルができた段階でテストをしておくことで、不具合がでた場合の原因の切り分けがしやすくなるので、衣装づくりの間は細かく変更→テストを繰り返すことを強くおすすめします。

さて、ここからの作業はテストしてわかった問題の解決ということになりますが、先が長くなりますのでここでいったん小休止して、その3に続きます。

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