MODづくり実践①~ボートネックTシャツ その1~


さあ、衣装MODをつくってみましょう!

と、いきなりそう言われてもやったことがない人にとっては具体的に何をどうしたらいいのかさっぱりわからないでしょうし、xneもかつてはそうでした。

そこで今回から、ひとつの衣装をつくりあげていく具体的な作業の流れを通してみることで「具体的に、何を、どうすればいいのか」について説明していきます。

ただし今回は具体的な説明に重点を置くかわり、「その作業が何を意味しているのか」については詳しく説明しません。
ですからそこについて詳しく知りたい場合は、ほかの記事やウェブ上で先人の方たちが残してくれている資料を調べたりしてください。

①つくるものを決める


衣装MODをつくるときに、まず最初にすることは「何をつくりたいか決めること」です。
基本的には「つくりたいものをつくる」ということになりますが、つくりたいものの内容によってかかる時間や手間が大きく異なります。
たとえば、今まで一度も衣装MODをつくったことがないのに、フリフリヒラヒラでレース柄の透けるドレスをつくりたいとなれば、かなりの労力と時間を費やす覚悟が必要になります。
個人的には、はじめは「MODをつくる」作業そのものに慣れるために、テクスチャの差し替えやスカートの裾を短くするといったような、かんたんな衣装づくりからはじめることをおすすめします。

なお、xneの個人的な難易度評価はだいたい下みたいな感じです。
易しい
①テクスチャの差し替え……例)Tシャツのプリント柄変更、色が変えられる部位の変更 など
②メッシュの削除……例)スカートの裾を縮める、フリルをなくす、服に穴をあける など
③マテリアル/シェーダー変更……例)衣装を透けるようにする など
④メッシュの改変……例)既存衣装をあわせて新しい服をつくる など
難しい

ただし、いくらかんたんでもつくりたいと思えなければやる気がわかないのは当然なので、自分のつくりたい/欲しい衣装でなおかつ割とかんたんにできそうなものがないかをまず考えてみましょう。

なお、今回xneは「首回りがひらいたTシャツ」をつくっていこうと思います。

②プランをたてる

つくるものが決まったら、それをつくるためのプランを立てます。
衣装MODであれば具体的には、「どの衣装をもとにしてつくるか?」を決めます。
テクスチャの差し替えやメッシュの削除であればどの衣装をもとにするかは考えるまでもないので飛ばしてかまいません。
しかしメッシュの改変などでは「どの衣装をベースに、どの部分をほかの衣装からもってくる/いちから自分でつくるのか」など最初に見込みを立てておかないと、ムダな作業や手戻りが起こりますので、先にしっかり考えておくことをおすすめします(経験談)。
またウェブ上の通販サイトなどで似たような形の服の資料(画像)をあらかじめ集めておくことで、3Dでの完成像をきっちり詰めておいてもいいでしょう。

今回xneがつくる「首回りがひらいたTシャツ」は、検討の結果「Tシャツ(無地)」を改変してつくることになりました(当たり前ですが!)。

③リストファイルをつくる

さて、ここからいよいよ実際に手を動かす作業です。
まずはコイカツ!とMODを構成するすべてのファイルを結びつける、リストファイルをつくります。
MOD用のリストファイルをつくるには、既存のリストファイルを改変するのが一番かんたんです。
具体的に、まず

1.「abdata\list\characustom」内の「00.unity3d」ファイルをコピー&ペースト
2.適当な名前にリネーム(今回は「xne_tsyatu01.unity3d」としました)

します。
これが、MOD用のリストファイルになります。
次にこのファイルをSB3Utilityで開きます。
すると、「xne_tsyatu01.unity3d」内にコイカツ!の既存衣装の大半のリスト(「ao_arm_00」~「mt_underhair_00」)が入っているのが見えますが、今回はトップスの衣装を追加するので、「co_top_00」以外のすべてを削除します。

具体的には、「Assets→Attention!→Remove」を選択します。
すると、「co_top_00」だけが残るので、さらにco_top_00を開きます。

既存トップスの大半のデータが載った表が出てきますが、今回は「Tシャツ(無地)」のぶんを改変して使いますので、それ以外の行を選択してキーボードのDeleteキーで削除します。
それから、ID/名前/本体ファイルを置くアドレスとデータ(Animator)の名前/MainTex・ColorMaskTexを置くアドレスとデータ(Texture2D)の名前/サムネファイルを置くアドレスとデータ(Texture2D)の名前を改変し、Applyを押します。
なお、OverBodyMask・BraMaskについても変えるのであればここで変えておきますが、今回はとりあえず既存のTシャツと同じものを使ってみるためそのままにします。


これでリストファイルは完成……と言いたいところですが、まだです。
まず第一に、今の状況はまだ「xne_tsyatu01.unity3d」変更が保存されていないため、変更を反映して保存する必要があります。
それから第二に、unity3dファイルは実はCABinet(s)値という固有のIDのような値をもっていて、これが重複すると不具合を起こします。
「xne_tsyatu01.unity3d」は「00.unity」をコピーしてつくったので、当然このCABinet(s)値が今は2つのファイルでかぶっている状態です。
そのため、「xne_tsyatu01.unity3d」には新しいCABinet(s)値をつけてあげる必要があります。

各ファイルのCABinet(s)値の設定は「File→CABinet(s)→CAB-」のところでなされているので、新しい値を「CAB-」以降に入力します。
このCABinet(s)の値について、xneは新しい値を得る方法としてRoy12氏が配布しているRandomStringGeneratorを使って、生成された値をコピー&ペーストしています。


新しいCABinet(s)値を設定したら、「File→Save .unity3d」で変更を保存します。
ファイル名の横の*は変更があることを示すものなので、保存できたら*が消えます。

これでいちおうリストファイルは完成しました。
あとは内容に変更があったときにリストファイルを開き、「変更→Apply→Save」を繰り返すことになりますが、Applyの押し忘れに注意してください。
xneは何回かApplyの押し忘れで痛い目を見ています……

これでとりあえずリストファイルができあがったので、次に本体ファイルをつくっていきましょう。
区切りがいいのでここでいったん小休止して、その2に続きます。

コメント

人気の投稿